ツイッターの登場で激変した 新聞と読者の関係

メディア空間考 三橋麻子(コンテンツエディター)

 朝日新聞が発行され、100年以上になる。投稿欄などの例外はあるとはいえ、大きな流れでいえば、新聞は長らく、記者が書いて、編集者が組み、読者が読むものだった。ところが、この20年あまり、ベクトルは大きく変わっている。新聞社→読者の矢印は、双方向にかじを切った。状況をもっとも大きく変えたのは、ツイッターの登場だと思う。

 私がツイッターを使い始めたのは2010年。週刊誌AERAに出向していたときだ。雑誌は毎週の売り上げが生命線であり、読者の反応に新聞よりもはるかに敏感だ。記事は毎号読者の人気投票でランキングされる。自分がスクープだと思って書いた硬派の記事が芸能ニュースの足元にも及ばないことにショックを受け、新聞の「報道的価値観」と世の中の関心の所在の違いをまざまざと見せつけられた。

 悩んでいたときに、取材先や上司に受けた助言が「ツイッターで自分の記事を検索してみたら」というものだった。それまでも検索サイトで掲示板などに書かれる自分の記事の反響を調べてはいたが、ツイッターでは、やっていなかった。実名アカウントをつくるには当時、会社に届け出るなどの手続きが必要だったため、ひとまずニックネームでアカウントをつくり、自分の記事を検索してみた。

 すると、賛否両論、まったく知らない世界が広がっていた。

 ツイッターは利用者が関心が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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