元アマチュア日本一のテニス選手だった福岡市の伊藤潤さん(30)が指導者としての日本一を目指し、九州電力を脱サラして、テニスクラブ経営に乗り出した。「テニスだけでなく、コートの外でも通用する戦い方を教えたい」。会社員時代の経験も生かして、生徒たちのメンタル強化に力を注いでいる。
伊藤さんは、早稲田大テニス部だった2010年に全日本学生テニス選手権のシングルスとダブルスで優勝し、全日本学生ランキング1位を達成。11年には全日本テニス選手権のダブルスベスト4を記録し、プロも含めた日本ランキングで19位、アマチュアでは1位に輝いた。
大学卒業後はプロ転向も考えたが、九電に入社して実業団でプレー。しかし7年で独立し、起業する道を選んだ。テニスの試合で感じた興奮が忘れられず、「今度は経営者として思い切り戦いたい」と考えたからだ。
飲食業も検討したが、やはり好きなテニスを選択。自己資金で株式会社を設立し、昨年9月、福岡市西区福重にオムニコート2面のテニスクラブ「J STRUCT(ジェイストラクト)」を開業した。コートの賃貸などは、テニスを通じて親交のある、近くの「お弁当のあじや」の倉園幸治社長から支援を受けた。
伊藤さんは代表取締役として経営に努めると同時に、メインコーチとしてコートに立つ。指導で大切にしているのは技術に加えて戦略とメンタル面の強化だ。
ライバルに勝つ作戦を自分で組み立て、苦しい時を耐えてチャンスを待つ。「テニスで勝てる戦略と精神力があれば、実社会でも必ず役立つ」。まずは現在約40人のクラブ会員を180人に増やし、将来は世界で通用する選手を育てることが目標だ。
J STRUCT=092(981)6363。 (三村龍一)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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