テレワークの推進でますます重要になる「つながらない権利」(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月21日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、IT起業家の関口舞さんが“つながらない権利”ついて解説しました。

◆75%が「コロナ後も自宅勤務を続けたい」

Twitter社は新型コロナウイルス対策で始めた在宅勤務について、従業員が望めば永続的に続けられるようにする方針を発表。GoogleやFacebookも今年末まで在宅勤務を認めており、アメリカIT大手で働き方が大きく変わる可能性があります。

関口さんによると、日本でもIT業界を中心にコロナ以前からテレワーク化が進んでおり、例えば株式会社ドワンゴはすでにコロナ収束後も在宅勤務継続の方針を示しているそう。また、関口さんの周囲のIT企業は、オフィスを解約した人も出てきていると言います。

そんななか、あるアンケートでは75%が「コロナ後も自宅勤務を続けたい」と回答。そこには完全在宅ではなく、一部在宅勤務者も含まれているそうですが、「可能なことは在宅でやっていきたいという方が多く、その理由としては勤務時間がないことによる効率化などが挙げられています」と関口さんは言います。

一方で、半数以上の人が「会社のオンライン飲み会には参加したくない」と回答。その背景には、外出自粛中だけに参加拒否ができないこと。さらには自宅ではラストオーダーがなく、いつ終わらせたらいいのかわからない、仕事の延長のようになってしまっている、といったことがあり、「ネット上では家にいるのに帰りたいという声がある」と関口さん。

そういった状況のなか、「在宅勤務によって仕事とプライベートの境目がより曖昧になっている」と指摘。作業以上に「連絡があるかもしれないと構えていることがストレスになる」という研究結果があるそうで、「特に勤務時間外や休日の仕事の連絡が、在宅勤務によって増えることが懸念されています」と問題点を示唆。

さらには、スマホが振動しているという錯覚や幻覚が生じる「幻想振動症候群」に不安を募らせます。「これは誰もが一度は経験したことがあると思うんですけど、脅迫観念のようになってくると精神的な疾患の一因になる恐れがあると言われています」と警鐘を鳴らす関口さん。自身も、夜にスマホが鳴った気がして不眠になったことがあると打ち明けます。

◆欧米ではすでに「つながらない権利」が法制化

それだけに、今後ますます重要になってくると関口さんが訴えるのが「つながらない権利」。フランスやイタリアでは、すでに勤務時間外のメール等のやり取りについて法制化され、違反している場合は訴えることも可能だとか。

また、ドイツのダイムラー社では休暇中のメールは自動的に削除される仕組みを導入したり、日本ではロックオン社が、年に一度、会社と一切の連絡を断つ休暇を取るよう義務付けていたり、企業ごとでさまざまな取り組み例も。

関口さんは、「法制化の議論もますます必要になってきますし、各企業での対策も今後進めていく必要があると思います」と話していました。

弁護士の南和行さん曰く、日本では自営業者と給料をもらって働く労働者の働き方がすごく曖昧だそうで、「会社に雇われている人なのに、まるで自営業者のようにずっと会社や仕事のことを考えて当たり前という文化があり過ぎた」と言います。しかし、それでも会社に出社することでオン・オフの切り替えができていたものの、テレワークとなるとそれも難しくなるだけに、「日本の労働の在り方を考える、いい問題提起で私もハッとしました」と関口さんの言葉に啓発されたようでした。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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