国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、慰安婦を表現した少女像などを集めた企画展「表現の不自由展・その後」が、開幕3日で展示中止に追い込まれた。「表現の自由」を考えさせる注目の展示は、抗議や脅迫の前に挫折した。
「テロ予告や脅迫の電話などもあり、撤去しなければガソリン携行缶を持ってお邪魔するというファクスもあった」
トリエンナーレ実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事は3日夕の記者会見で、安全に芸術祭を続けるための判断だと強調した。「行政が展覧会の中身にコミットするのは控えなければならず、芸術祭じゃなくなる」と言いつつも、「円滑な運営のためだ」と理解を求めた。
各地の美術館で撤去されるなどした作品をあえて並べ、表現の自由を考えてもらう企画。「表現の自由をどう考えるかという議論の契機にしたいということで、芸術監督とキュレーター(展示企画者)が考えたことを進めてきた」と大村氏は説明した。
しかし、開幕した今月1日だけで抗議は電話200件、メール500件。事務局の電話回線はパンクした。2日朝には知事が例に挙げたファクスが届いた。事務局は抗議電話に対しては意見を聴く姿勢で、職員も増強したが、電話やメールは県庁にも寄せられた。対応に忙殺され、芸術祭の運営そのものに支障を来しかねないところまで追い込まれた。
大村氏は「事務局スタッフの対…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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