千葉県館山市で12日、県誕生150周年を記念したイベント「館山チアアップ・県誕生150周年記念パレード」が開催され、東京ディズニーリゾート(TDR)のスペシャルパレードも行われる。人口約4万5千人を上回る5万5千人の人出が予想され、市は当日を前に対応に追われている。
TDRを運営するオリエンタルランドは今年、開園40周年を記念するスペシャルパレードを全国10カ所で開催すると発表。県内では4月に浦安市で実施し、今月は12日に館山市、23日に千葉市で開催する。
館山市のイベントは12日午後0時半から同1時45分まで、同市北条の鏡ケ浦通り(館山駅西口交差点付近~八幡海岸交差点付近)の約900メートルで実施。スペシャルパレードは同1時15分から、地元中高生のチアダンス、吹奏楽などの後に予定されている。
市のイベントでは、夏の花火大会に多くの観客が集まる。ただ花火は市内の各所でも見ることができるため観客は分散するが、パレードは見物できるのが沿道に限られ、観客は集中する。
そこで、市は人の流れをスムーズにするため歩行者のコースを通行用と観覧用に分け、市と県の約200人の職員に加えて警備会社にも依頼するなどして警備態勢を強化した。
一方、同市は房総半島南端に位置し、当日は遠方からも車で多くの人が来ることが想定される。花火大会では、約300台が収容できる北条海岸の無料駐車場に駐車できるが、今回のイベントでは観覧席を設置するため利用できない。臨時駐車場でカバーすることも難しいため、市はそもそも駐車場を用意しないことを決断。館山駅から海岸までの一帯を車両通行止めにして車を締め出すことにした。
イベントに合わせ、JR東日本は車両数を倍にするなどした館山行き11便、帰り10便の臨時列車を増便する。JR東は「これだけの臨時列車を出すのは極めて珍しい」と話す。市は「車ではなくJRで来てほしい」と呼びかけている。
10月22日にスペシャルパレードがあった愛知県岩倉市は人口約4万8千人と館山市と同規模。そこに4万人が集まった。ただ岩倉市は名古屋市に近く、館山市とは交通事情も異なる。さらに岩倉市は混乱を避けるために観客を事前申込制にした。
館山市はこうした前例を視察しながら対策を練った。担当者は「会場は天候が良ければ東京湾越しに富士山も望めるロケーションで、市始まって以来の人出が想定される。2001年の明石市の花火大会の事故のようなことがあってはならない。万全を期して取り組む」としている。(堤恭太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル