新型コロナウイルスの影響で、全国の学校が修学旅行の見直しを迫られている。愛知県一宮市の市立中学校では生徒の感染が確認されて臨時休校を余儀なくされたが、行程を変更し、感染防止対策を取って実施した。生徒たちは、家族や宿泊先など多くの人たちに支えられたことを学ぶ機会になり、「どの学校にも負けない旅行になった」と振り返る。
一宮市立中部中学校の体育館で7月10日、3年生約230人を集めて臨時学年集会が開かれた。新型コロナのため修学旅行の行き先を変えることを伝えるためだったが、集まった生徒らは声をひそめて「修学旅行、なくなるぞ」と話していた。
学年主任の渡辺一弘教諭(42)は、クラス担任からそんな生徒の心配を聞いていた。集会でマイクを握って「方向を変えて何としても行くよ」と切り出し、「東京ディズニーランドには行かない。富士急ハイランドにします」と続けた。ディズニーランドは多くが楽しみにしていただけに、涙を浮かべる生徒もいた。
一宮市の中学校は、例年春に2泊3日で首都圏に修学旅行をする。中部中も千葉県での漁村体験、ディズニーランド、国会見学などを予定していたが、新型コロナ禍で他校とともに9月に延期した。2月末から休園していたディズニーランドは7月に再開したものの入場制限があり、東京都の感染者も増えていた。
7月21日に保護者説明会を開き、ディズニーランドと都内観光を外す代わりに富士急ハイランド(山梨県)などを入れた行程を示したところ、千葉県まで行くことに心配の声が上がった。行程を再度見直していたさなか、生徒1人が感染したことがわかり、8月2~4日に臨時休校した。夏休みに入って、別の生徒1人の感染も判明した。
生徒たちは「修学旅行は無理か…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル