デマンド交通は空白区域の救世主なるか 専門家「AI任せではダメ」

 AI(人工知能)やアプリを活用し、乗り合いバスを簡単に予約し、利用できる「デマンド交通サービス」が広がり始めている。「デマンド」は「あったらいいな」という意味。高齢者の運転免許返上を推奨する傾向が強まるなか、買い物や通院の足として地域に定着するか。各地でデマンド交通導入の助言にあたる福島大の吉田樹准教授(交通政策)に聞いた。

結局うまくいかなかった、とならないために

 民間のバス事業者が撤退した路線を行政がコミュニティーバスとして引き継いだが、結局うまくいかなかった、そんな話は少なくありません。どういうところを走らせるのかコンセプトを明確にしたり、そのための課題解決を図ったりなど、持続可能にしていくには、行政の工夫が不可欠です。

 最近はAIを活用することが「はやり」になっています。解決の糸口になればと自治体の期待は高いですが、AIが力を発揮するのは人口密度がそれなりに高く、利用者の需要が頻繁に発生する都市近郊です。

 最近はアプリを提供する会社がコンサルタント業務までやっていますが、地域の真のニーズをくみ取れるとは限りません。行政には、住民とコミュニケーションをとりつつ、地域をデザインする視点が必要です。自分たちで考えていくことを続けていかないと、いくらAIの力を借りてもうまくいきません。

 福島・会津若松では、風力発…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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