鹿児島県が鹿児島港本港区のドルフィンポート(DP)跡地に整備予定の新体育館をめぐり、タレントのデヴィ・スカルノさんが11日、県庁を訪れ、計画を見直すよう塩田康一知事に求めた。訪問後、県出身デザイナーの今井千恵さんらと記者会見を開き、桜島の景観が損なわれるとし、「なにもDP跡地に建てる必要はないのではないか」と訴えた。
デヴィさんは、計画に反対する今井さんと長年親交があるといい、記者会見で、DP跡地は「鹿児島の玄関口みたいな場所。一番最初に目にするのが桜島であり、美しい公園だ。すごく印象的で一生ものの思い出になる」などと指摘。DP跡地一帯の港の景観を生かしつつ、「国際的な公園にし、飲食店や土産品店なら、景観を崩さずにいいのではないか」との考えを語った。
今井さんは昨年に発足した「世界一美しい活火山・桜島を世界に発信する有志の会」の代表で、これまでも県に意見を伝えてきた。「体育館を建てるなとは言わないが、世界に誇れる景観があり、鹿児島の宝と言える場所に建てる必要はない」と話した。桜島の景観を軸としたまちづくりをすれば、訪日旅行客の誘致や産業の振興に寄与する場所になると訴えた。
今井さんらによると、塩田知事にこうした考えを伝ると、「県議会や検討委員会で了承された」との回答があったという。同会は街頭やネット上で計画見直しの署名を集める予定で、デヴィさんも引き続き協力する意向だ。(加治隼人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment