新型コロナウイルスの感染拡大が、世界で新たな局面を迎えています。先進国ではすでにピークを越えた国がある一方で、南米などの新興・途上国で感染の広がりが深刻化しているからです。世界の感染者は累計で1千万人を超え、死者も50万人に達しています。新型コロナウイルスは世界でどのように広がってきたのか。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計データをもとに読み解きます。
感染者数、新興国・途上国が先進国を逆転
世界各国を、国連の基準にならって36の先進国と、それ以外の新興・途上国に分けてみましょう。
すると、当初は先進国で感染が一気に広まったことがわかります。中国で始まった感染が3月以降、欧米で大規模なパンデミックを引き起こしたためです。4月中旬には、1日6万人以上の感染者を記録し、先進国における感染はピークを迎えました。
一方、新興・途上国は徐々に感染数を増やし、5月上旬には1日当たりの感染者数で先進国を逆転しました。その後も、さらに差を広げています。
6月上旬には、累計の感染者数でも先進国を上回りました。世界の感染者は累計で1千万人を超えましたが、そのうち60%近くは新興・途上国が占めています。
グラフの上昇カーブをみる限り、今後も新興・途上国では感染者が増え続ける可能性が高そうです。一方で、よくみると先進国の感染者も最近になって再び増え始めていることがわかります。これは米国で感染が再拡大し始めていることが原因です。
累計死者数、なお先進国が多数
死者数で先進国と新興・途上国を比べてみると、累計の死者数は依然として、先進国が大きく上回っています。
世界の死者数は累計で50万人を超えましたが、そのうち約63%は先進国が占めています。これは、4月をピークとした欧米での感染爆発で、いかに多くの死者が出てしまったのかということを示しています。先進国では4月中旬、1日当たり6千人を超える人たちが命を落としました。
ただ、1日当たりの死者数は5月下旬以降、新興・途上国で、先進国の人数を上回るようになりました。いまでは毎日、新興・途上国で先進国の3倍以上の死者が出る状況となっています。
新型コロナウイルスが感染拡大のこれまでと現在、そしてこれから。さらに7つのグラフで多角的に分析します。
■感染者分布、2カ月で様…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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