住宅の引き渡しに遅れも
新型コロナウイルスの感染拡大で、経済活動が停滞する中国に生産拠点を置く日系企業の商品の日本国内への納入が滞っている。トイレやシステムキッチンなど住宅設備や家電も含まれ、道内の住宅建築業界では春以降の住宅引き渡しや新規契約への影響を懸念する声が出ている。調達の遅れが長期化すれば、工務店とマイホーム購入者の間でトラブルも起きかねず、専門家は双方が十分に話し合うよう呼び掛けている。
「新築住宅に取り付けるトイレや調理用のIH(電磁誘導加熱)ヒーターの在庫が4台ずつしかない。5月末までに底を突く」。札幌市東区の工務店、イゼッチハウス北海道の鏡原勲社長は住宅建築に不可欠な設備を調達する見通しが立たないと困惑する。IHヒーターについては在庫が切れた場合、携帯用コンロを緊急的に設置して顧客の理解を求めるつもりだ。
それでも悩みが尽きないのは、本来は新築受注が増えるはずの春が到来する中、感染拡大に伴う景気低迷が長引けばマイホーム購入をためらう動きが出かねないためだ。鏡原社長は「住宅購入費の割引を検討し、何とか自社努力でしのぎたい」と話す。
大型家電も影響「3カ月近く待ってもらう可能性も」
函館市の工務店、東商建設は2月17日からトイレやレンジフードを調達できていない。メーカーからは「受注を再開できても、しばらくは注文が殺到する可能性がある。いつ商品を届けられるか見通せない」と告げられた。7、8月に予定する住宅の引き渡しは遅れる見通しで、担当者は「顧客には状況を丁寧に説明して理解してもらっているが、納入の遅れが長期化しないか不安だ」と話す。
ヤマダ電機テックランド札幌琴似店では今後、冷蔵庫やドラム式洗濯機といった大型家電の入荷が遅れる可能性があるという。おおむね1カ月分の在庫はあるため、新年度からの新生活向けの需要には応えられる見通しだが、「4月中旬以降は購入者にいつ納品できるか未定。3カ月近く待ってもらう可能性もある」と懸念する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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