新型コロナウイルスの流行で、トイレットペーパーはいつも売り切れ。買いだめが批判されていますが、安田洋祐・大阪大准教授は、「多めに買おうとするのは、一消費者としては理にかなった行為」といいます。紙を買いたい消費者をゲームのプレーヤーに見立てて、経済学の「ゲーム理論」を使って解決のヒントを考えました。
違うゲーム、ありえた
――店頭にトイレットペーパーがないのを見ると、買える時は多めに買っておきたくなります。よくないことなのでしょうか。
「一消費者としては理にかなっている行動です。他の人も多めに買って店頭の在庫がすぐになくなる状況で、自分だけゆっくり構えていると、買えずに困ってしまうでしょう。そのやむにやまれぬ行為を、『協調性がない』などと道徳的に批判しても、ギスギスするばかりです。しかし、一人一人が『合理的』にふるまった結果、早朝から列に並ばないと買えなくなるなど、みんなが損をすることになってしまいます。個人にとって望ましい行動と社会としての利益は、必ずしも一致しないのです」
――自分だけが買うのをやめても、他の人が買いだめを続けるならば、問題は解消しません。
「他人の行動によって自分の行…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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