道「予防の姿勢を率先して示す」 緊急事態宣言から
読者と調査報道に取り組む「みなぶん特報班」に寄せられた新型コロナウイルスに関する疑問に答える「教えて!新型コロナ」。今回は「マスク編」第2弾で、通信員から「鈴木直道知事はなぜ記者会見でマスクをするのか?」との質問が届いた。不足が深刻化し、ネット上で「高額販売」も相次いでいるだけに、通信員はふに落ちないと言う。
「健康な人は着けなくても大丈夫と聞いたが、知事は風邪でもひいているのか」。江別市の無職男性(66)はテレビでの知事のマスク姿に疑問に感じた。世界保健機関(WHO)は「着用していないからといって感染の可能性が必ずしも上がるわけではない」とした上で「使用はせきなどの症状のある人らに限定されるべきだ」との指針を示す。
知事の健康状態に問題はないという。会見でマスクを着け始めたのは緊急事態宣言を出した2月28日。道の担当者は「感染予防をお願いする姿勢を率先して示すため」と言い、WHO指針との違いには「無症状の人から飛沫(ひまつ)感染することも考えられ、意味はある」と強調する。特報班には「安倍首相もマスクを着けるべきだ」との声も来ている。
札幌市「症状がなければ不要」 専門家「統一した方が効果的」
一方、札幌市の秋元克広市長ら幹部は会見でマスクを着けない。市保健所によると、知事の姿を見て検討したが、「感染の疑いのある人らに使ってもらうことが重要。症状がなければ不必要」と判断したという。
神戸学院大の桜井誠一客員教授(防災危機管理)は「必要ないのにマスク姿で会見に臨むと危機感をあおり、風評被害につながりかねない。姿勢はマスクではなく、言葉で示した方がいい」と指摘。東京大の橋元良明教授(情報社会心理学)は「着用を訴えるメッセージとなるが、知事と他の首長で対応が分かれると道民が混乱する。対応を統一した方が効果的」と言う。
マスクが枯渇する中、ネット通販大手アマゾンには高額な送料を上乗せした出品が相次ぐ。60枚入り100円に対し、送料1万1千円という出品もあり、消費者が気づかずに購入する可能性もある。江別市の50代主婦は「海外出品者から購入しても、送料は1万円もしない。悪質」と訴える。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース