トヨタをやめて…カベポスター「心地いいツッコミ」で初M-1決勝へ

 M-1グランプリの決勝が12月18日に開かれる。史上最多7261組の中から勝ち上がり、決勝に挑む9組の横顔は――。

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 会社員時代はトヨタ自動車に勤め、芸人になるとM-1ファイナリストへ――。

 吉本芸人「カベポスター」のツッコミ、浜田順平は、肩書だけ見るとまぶしい。

 でも、実際に会うと、あれ?

 遠慮がちにポツポツと話す。

 「リア充」のイメージとはちょっと違う。

 相方の永見大吾も雰囲気が似ている。おっとり、テンション低め。

 二人とも、イケイケドンドンのM-1戦士には見えない。

 けれど、芸人は本来こうなのかも。どこか屈折していて、希望を捨てきれず、はいつくばっている。

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 ――初の決勝です。当日はどんな気持ちで挑みますか。

 浜田「僕は緊張すると、ネタが飛んだり、かんだり。コメントも、ちゃんと話せるか不安なんです。ミスってもいいかと思ってやらないと。ほんなら自然と楽になる」

 永見「僕はどんな感情になるんやろ。まだイメージができていなくて。当日にならないとわからない。初めてディズニーランドへ行った日もそうでした」

 浜田「ええ~……。そうなん? 緊張ゼロってこと? M-1やで」

脱落していく仲間たち

 ――浜田さんは大阪・阿倍野の出身ですが、今回の決勝は関西勢が少ないですね。

 永見「大阪を背負って――」

 浜田「そういうのいややねん。ずっしりくるねん」

 ――しっかりしてそうに見えるのに。

 浜田「芸人の中にいるからそう見られる。周りの芸人がぬるすぎるんです」

 永見「NSC(吉本興業の芸人養成所)に入った当時、600人くらいいました。卒業の時点では100人くらいに減っていました。ほとんどがやめる」

働きたくなくて芸人になる人々

 浜田「芸人は社会に適合しにくい人が多い。働くのがだるいから芸人をやるって人が大半を占めてるんで」

 ――浜田さんは脱サラ経験者。もともと、トヨタにお勤めでした。

 浜田「車の部品調達の部署にいました」

 ――向いている仕事でしたか。

安定した会社から出ることをなぜ選んだのか。芸人になる人は「社会に適応しにくい」と語る真意とは。記事後半では、独特の漫才の世界観について。永見さんは大阪の街でよく奇妙な体験をするそうで――。

 浜田「全く向いてなくて。仕…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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