四国電力は17日、伊方原発(愛媛県伊方町)で今年1月にトラブルが相次いだことを受け、原因と再発防止策をまとめた報告書を国や県、町に提出した。作業手順をまとめた要領書の大幅な見直しや、要領書通りに作業が実施されているかをチェックするチームを新設することなどを改善策として盛り込んだ。
昨年末に定期検査に入った伊方原発3号機では1月12日、核燃料を原子炉から取り出す作業の準備中、核分裂反応を抑える制御棒1本を誤って引き上げるトラブルが発生。同20日にはプールに保管中の核燃料を点検用ラックに入れる際、ラックの枠に乗り上げる作業ミスがあった。同25日には外部から伊方原発への電力供給が止まり、電源を一時失うトラブルがあり、四電は定期検査を中断した。
報告書では、国への報告事象となった制御棒の引き上げについて、制御棒の上部付近に鉄の酸化物がたまり、引き上げ装置と制御棒がくっついた状態になっていたと推定。くっついていないことを確認することを手順に追加した。
四電の長井啓介社長から報告書を受け取った愛媛県の中村時広知事は「専門家による県の部会で厳しく審査していく」と述べ、定期検査の再開を認めるかは、国の議論も踏まえて判断する考えを示した。(亀岡龍太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル