日本のグラフィックデザイナーの草分けの一人、杉浦非水(1876~1965)が戦時中に川越に疎開させた作品群が、川越市立美術館で初公開されている。雑誌の表紙やポスター、図案集など約300点が、企画展で9月3日まで鑑賞できる。確認されていなかった、木版画の原画も見られる。
印刷物のデザイナー
非水は、印刷物のデザインを手掛けた図案家。三越の出版物やポスターなどで知名度を上げ、明治から昭和初期にかけて活躍した。帝国美術学校(現武蔵野美術大)の教授や、多摩帝国美術学校(現多摩美術大)の初代校長も務めた。
妻で歌人の翠子(1885~1960)の実家は川越の商家・岩﨑家。非水は1944年、第2次世界大戦の戦況悪化を受け、自らの作品群1千点以上をトランクに詰め込み、岩崎家に疎開させた。
戦後も岩﨑家が資料を守り続…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル