高億翔
長野県警は24日、交差点を通る車から、見える位置に道路標識が設置されていなかったのに、運転者を歩行者妨害の交通違反で取り締まった不適切な検挙が6年間で73件あったと発表した。県警は「検挙に妥当性がなかった」として対象者に謝罪し、違反を取り消して反則金を返すなどの手続きを取る。
交通規制課によると、標識が設置されていなかったのは、県内24市町村の信号がない交差点46カ所。車が右左折する前に、運転者から見える位置に横断歩道があることを示す青い標識が設置されていなかった。
46カ所の交差点では、標識のない方向から右左折した車に、横断しようとする歩行者がいるのに一時停止をしなかったなどとして、「横断歩行者等妨害等違反」で切符を切っていた。県警は、これら交差点の道路上には横断歩道を示すしま模様の「表示」があったものの、道路標識の設置不備で検挙に法的妥当性がないと判断した。
県警は、群馬県などで同様の不備が見つかったことから、昨年12月に調査を始めた。記録が残る2017年以降、73人に対する73件の不適切な検挙が判明した。県警は「標識の設置方法の確認が不十分だった」と説明。必要な位置への標識の設置を進め、ほかにも設置不備がないか調査を続けるという。(高億翔)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル