プロ野球ドラフト会議。野球ファンにとっては1年に1度、待ちに待ったイベントだ。
普段野球をあまり見ない人にとっても、夏の甲子園でチームを優勝に導いた「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手や、高校通算最多本塁打の清宮幸太郎選手、163キロ右腕・佐々木朗希投手など、ニュースで話題になった選手の行き先が気になったことはないだろうか。
(動画)ドラフト注目・加藤壮太選手(BC武蔵)打撃練習と独占インタビュー
一方で、プロ12球団の指名順や、指名できる選手の制限など、その規定は細かい。ドラフト会議を15年以上に渡ってウォッチしてきた自称ドラフトマニアの記者が徹底解説する。
1位指名はとにかく公平
今のドラフト会議は、12球団の戦力均衡を目的に制度設計がされている。かつてドラフト会議がなかった時代や、一部の選手が各球団との交渉次第で行き先を決められた時代は、資金力のある球団に有力選手が集まりかねず、いわゆる「裏金」なども問題視された。
とはいえ、各球団がその年のドラフトで一番欲しい選手、すなわち「1位指名」はその年の順位に関係なく、公平に決められる。
1位は各球団が同時に欲しい選手を指名する。選手が被ったら「くじ引き」だ。
注意が必要なのは、獲得するのはその選手との「入団交渉権」ということだ。指名=入団ではなく、あくまで球団が独占的にその選手と入団に向けた交渉ができるというもの。選手が思っていたより指名順が低かったり、意中の球団ではなかったりなど、指名に成功したが入団を拒否されるケースもある。
ちなみに1位指名の競合では「トルネード投法」で一世を風靡した野茂英雄投手(新日鉄堺→近鉄)と即戦力左腕・小池秀郎投手(亜細亜大学→ロッテ/入団拒否)の8球団が最多記録だ。
2017年には左の長距離打者・清宮幸太郎選手(早実)に人気が集中。7球団競合の末、日本ハムが獲得に成功した。
くじが外れたら
くじが外れれば、外れた球団が再び、まだ指名されていない選手の中から1位を選ぶ。これが俗にいう「外れ一位」だ。
外れ一位がまたもや被ったら再びくじ引き。外れたら「外れ外れ一位」を選び…という風に12球団の1位指名が確定するまで繰り返す。
ちなみに、外れ一位を侮るなかれ。史上初の3度のトリプルスリーを達成したヤクルト・山田哲人選手は、ヤクルトの「外れ外れ一位」。ハンカチ王子・斎藤佑樹投手(現日本ハム)→塩見貴洋投手(現楽天)との競合に敗れ、3度目の正直で指名した選手なのだ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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