香川県・小豆島は、江戸時代に再建された大坂城の石垣の巨石が切り出された「石の島」としても知られる。だが、石を島のどこから、どのように運び出したのか全容は明らかでない。そんな謎に迫る調査に、島に移住やUターンした人たちが一役買っている。
リュックサックを背負った10人ほどの参加者が、石がごろごろ点在する谷筋を滑るように下りながら、目をこらした。まるで宝探しだ。昨年11月末、島の西側の山中であった「小豆島石丁場調査委員会」の現地調査に同行した。
参加者の一人が「これ、古いんじゃない?」と立ち止まった。こけむした縦横1メートルほどの巨石に、長さ約10センチの長方形の穴が三つ並んでいた。石を切り出すために開けられた「矢穴」だ。付近の石にも矢穴のようなくぼみが見つかり、現場は活気づいた。
調査を率いる徳島文理大元教…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル