新たに従業員ら4人感染
福岡県久留米市は24日、同市在住で10~50代の男女4人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。4人はクラスター(感染者集団)が発生した同市のナイトクラブ「MABINI(マビニ)」の従業員と客ら。同市での感染確認は34人となった。
市によると、感染が確認されたのは30代と50代の外国人女性従業員2人▽22日に感染が分かった40代外国人女性従業員の10代の息子▽客の50代自営業男性。いずれも軽症という。
市によると、女性従業員のマネジャー役で22日に感染が判明した60代自営業男性が、市内にあるマビニとは別のナイトクラブにも関わっていたことが分かり、市は男性の濃厚接触者として店の外国人女性ダンサーら5人をPCR検査する。
市は3月31日に市内で初めて感染が確認された20代女子大学生が、22日に退院したことも明らかにした。
また佐賀県によると、クラスターが発生した同県武雄市のナイトクラブ「クラブ イリュージョン」の客の久留米市の40代男性が感染したことが23日に判明。24日には同じくクラスターと判断された佐賀市のフィリピンパブ「ダンシング クイーン」の経営者=23日に感染発表=の40代男性が、今月中旬にマビニを訪れていたことも分かり、久留米市と佐賀県が感染経路を調べる。 (山口新太郎)
接客、共同生活…休めない
クラスター(感染者集団)が発生した久留米市と佐賀市のナイトクラブは、いずれも外国人女性がダンスなどを披露する「ショーパブ」と呼ばれる店だった。そうした店でクラスターが相次いだ理由は何だろうか。同業者らはマスクをせず至近距離で接客する環境や、休業できない店の事情もあるのではと推測する。
同様の店の元ダンサーで、現役の女性たちとも交流がある久留米市のフィリピン人女性(50)によると、ダンサーたちは興行ビザで来日する。本来ならショー以外の接客などはできないが「多くの店が客の隣に座らせ接客もさせている」。マスク無しの場合が多く、大半のダンサーが数人で共同生活をしているため、感染者が出ればクラスターになる可能性が高いという。実際にクラスターとなった同市のナイトクラブのダンサーも9人で生活し8人が感染。市は22日の会見で「共同生活には感染リスクがある」と指摘している。
また、同様の店は休業要請後も営業する店が目立った。女性によると、「ダンサーは休むと無収入になる上、契約を切られるのではと不安もある」と話した。契約期間の決定権が経営者にあるため、ダンサーたちの立場は弱いという。「店側は女性の立場を理解し、休業するべきだった」と訴える。
ただ、ある同業者の言い分は違った。20日まで別の店舗で営業を続けていた男性は、「店を休んでも最低限の食事や生活必需品は店から提供する。だが、毎日の営業前にダンサーに休業するかと尋ねてもイエスとは言わない。無収入になり困るというので営業していた。今回の店も同じ事情があるのでは」と話した。
一方、ネット上には「何割のベッド(病床)が外国籍(の感染者)に奪われたんだ?」などの差別的な書き込みも散見される。市内にある外国人向けの日本語支援教室「むつもん教室」の岡野祐子代表は「外国人への風評被害が心配。感染した女性たちが責められるべきではないということを理解して」と呼びかける。 (平峰麻由)
西日本新聞
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