ナニワのエジソン 1%のひらめきと99%の笑い

 名刺には「ナンセンス 珍ニシテ妙ナル発明家」と書いてある。人呼んで「ナニワのエジソン」。世のため人のためにならぬ?珍発明を約40年続けてきた。八尾市の木原健次さん(82)。家の納屋は、がらくた、いや、発明の山だ。

アイデアはツッコミ所満載

拡大する発明品の倉庫に立つ珍発明家の木原健次さん。「絵の珍発明が漫画。言葉の珍発明が落語とか漫才。役に立たなくても面白くて笑える。発明にもそういうのがあっていい」=2020年3月21日午後、大阪府八尾市、筋野健太撮影

 奇妙な台所用のザルを見つけた。底に卓球ラケットが付いている。「顔面ピンポンです」。エジソンは剣道の面のようにザルに顔をうずめると、目の前の球を顔面ラケットではね返した。「動体視力を鍛えられます」。予測を超えた発想はツッコミ所満載だ。

拡大する顔面ピンポン。ラケットが付いたザルを顔につけ、ピンポン球を顔ごと跳ね返す。目をつむらず、見開いてプレーするのがコツ=2020年3月21日、大阪府八尾市

 急須を使わず、茶こしやホースをくわえて茶を飲む道具は「おちゃっぱー」シリーズ。熱い茶が喉(のど)を直撃、ブエッフォー。思わず吐く。ホースを長くすれば、口に入るまでに少しは冷めるかも。だらんと垂れるホースを持ち上げるのに、滑車や風船、ドローンなどで7回試した。「失敗の連続ですわ」。道具のせいで壁が落ちたり水浸しになったり。吉本新喜劇のようなドタバタぶり。妻(78)は「結婚した時はこんなおかしな人やと思わんかった」。

拡大する「おちゃっぱー」シリーズ。これは帽子のようにかぶって使うタイプ。最新作は無線操縦装置を駆使して飲めるよう改良したが、うまくいかない=2020年3月21日、大阪府八尾市

 エジソンは大阪の大手企業の経…


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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