ニセ身分証で「道具」調達 特殊詐欺で暗躍する集団の実態とは

 だましの電話をかけるスマートフォン、その通信に必要なSIMカード、金を振り込ませる口座……。被害が絶えない特殊詐欺の犯罪ツール(道具)を調達する集団がある。「道具屋」と呼ばれる。ある事件から、その輪郭が浮かんだ。

553枚のSIM 145口の金融口座

 兵庫県警は8月、通信事業者からSIMカード2枚をだまし取った詐欺などの疑いで、大阪や神戸に住む30~60代の男女4人を逮捕した。

 捜査関係者によると、4人の自宅への家宅捜索や押収したパソコンからは、553枚のSIMカードと、145口の金融口座情報が見つかったという。すべて4人以外の名義だった。

 「SIMカードは1枚1万5千円、口座は1口2万5千円ほどで転売した」。そんな供述は得られたが、誰に売ったかは明かさなかったという。

 口座の一部は、大阪府内であった特殊詐欺事件の振込先と名義や番号が一致したといい、県警は4人が道具屋で、転売先は特殊詐欺グループだったとみている。なぜか。

 スマホの通信に必要なSIM…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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