ミツバチ大量死への関連が指摘される「ネオニコチノイド」系の農薬の一部は、ごく低い濃度でもハチの行動に影響を及ぼしそうだ。近畿大や筑波大、英ロンドン大などの研究チームが調べたところ、花粉などに残留しているとされる濃度の100分の1程度でも、ミツバチなどの神経系に影響が出る可能性がわかった。研究成果を米科学アカデミー紀要に発表した。
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この農薬は、タバコに含まれるニコチンに似た構造を持つ農薬で、日本ではイネ、野菜の農薬から家庭園芸用殺虫剤まで広く使われている。
ただ赤トンボ(アキアカネ)や鳥、魚など様々な生物への影響が指摘され、1990年代に島根県の宍道湖でウナギやワカサギが激減した原因になった可能性が高いとする論文も別の研究チームが発表している。EU(欧州連合)は2018年4月、ネオニコチノイド系農薬3種類の屋外使用を禁止した。
この農薬は、昆虫の神経系に作用し、行動に悪影響を与える。そのときに薬が標的にするのが、昆虫の中枢神経にあるたんぱく質「ニコチン性アセチルコリン受容体」だ。
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このたんぱく質は、体の中の神経の情報のやりとりに欠かせない物質アセチルコリンを受けとめる役割がある。ここにネオニコチノイドがくっつき、神経の働きをかき乱す。神経の情報のやりとりが阻まれると、食べ物を探す行動などに影響が出るとされる。
このたんぱく質の遺伝子は昆虫…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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