薄明の空に尾を引く“ほうき星”、ネオワイズ彗星が見ごろを迎えています。 日本から見える彗星としては近年にない明るさで、観測条件の良い場所からはその姿が肉眼で見えるほどになっています。双眼鏡を使うと長く伸びた尾もよく視認できます。 この写真は北海道のウェザーニュースユーザーが7月10日(金)の明け方に撮影したものです。朝焼けを背景に然別火山群の上に昇るネオワイズ彗星は、空が明るくなっていて目視はギリギリだったとのことです。
今月が明るさのピーク 明け方の空に注目
ネオワイズ彗星は今年3月に発見された彗星で、7月頃に明るくなるのではないかと予想されていました。今月はじめに太陽に最も近づき、そこで崩壊せず生き残って、実際に明るい姿を見せることになりました。 日の出前の北東の空に昇ってくる様子を、双眼鏡などを使って見ると良さそうです。 なよろ市立天文台きたすばるの村上恭彦台長によると、彗星の明るさはこの先徐々に低下する予想ではあるものの、明け方に高く昇っている月がだんだんと細くなることで、これから数日は比較的見やすい姿が期待出来るとのことです。 彗星の位置は移動するため、東京などでは明け方に観測が出来るのは今月中頃までとなる見込みです。
中旬以降は夕方の空に注目
7月中旬以降は日没後の北西の空に沈みゆくネオワイズ彗星を見ることが出来るようになります。北寄りの空に出現する北海道では、既に夕方にも観測され始めていて、東京などでももう間もなく夕方に観測可能な時期となる見込みです。 日没後のネオワイズ彗星の高さは、日程が後になるほど高い位置となって観測しやすくなるものの、明るさはだんだんと落ちて見付けづらくなる予想です。 また北海道など北の地域では、あと数日後には「周極彗星」と呼ばれる状況になり、夜中に北の空の低いところを通過することで彗星が一晩中沈まない様子を観測出来るとのことです。
彗星と見間違いやすい現象
日の入り前後の西の空には、彗星のような白く光る線状のものが見えることがあります。これらは夕陽に照らされた飛行機雲であることが多いようです。 彗星の場合は日没後数十分経った後に見え始めます。動く速度は太陽などの沈む速さとほとんど同じため、数分で位置を変えて見えなくなるようであれば、それは雲かもしれません。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース