午後8時以降は街灯を除く明かりは消して――。新型コロナウイルスの感染抑止のため、として東京都がそんな呼びかけをした。首都のネオンは消えたのか。緊急事態宣言初日の25日夜、記者が歩いてみた。(武田啓亮、御船紗子)
東京・新宿アルタ。
時計が午後8時を回ると、数十分前にはスポーツの試合などを流していた大型ビジョンの映像が突然、消えた。
「あれ?」
広場で待ち合わせをしていた人たちが声を上げた。江東区の会社員男性(30)は大型ビジョンが消えると聞きつけて、買い物をして帰宅する途中、見届けにやってきたという。「人の流れが減らない中での苦肉の策という気もするが、お金はかからないのでダメ元でやってみたらいいんじゃないか」
アルタの北側、靖国通り沿いにある量販店「ドン・キホーテ」やパチンコ店も、夜空に看板を浮き上がらせていた照明などが消えた。小平市の会社員女性(26)は「街が歯抜けになったみたい。少し寂しい感じ」。1週間前よりもすれちがう人の数が減り、歩きやすくなったと感じたといい、「暗くなれば、目的がないのにふらふらしている人を帰らせることはできるかもしれない」と言った。
とはいえ、「不夜城」新宿のネオンや看板は無数にある。都の呼びかけへの対応もまちまちだった。
「歌舞伎町一番街」のアーチ、光ったまま
アルタの周辺では、紳士服店…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル