ネコは起きた時が勝負 岩合光昭さんが狙う撮影の瞬間

 世界各地のネコを撮影し続けている動物写真家、岩合光昭さん(70)の必須アイテムは、もちろんカメラです。これまでの写真家人生で数え切れないぐらいの機種を使ってきたそうですが、実は意外にも特定のカメラへのこだわりはないそうです。その理由と、もう一つの必須アイテムについて語っていただきました。

その時使っているカメラがベスト

 ネコを撮影する時はオリンパス製のデジタルカメラを使っています。最近はミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1 MarkⅢ」。ビデオカメラによる動画も同時に撮影するので、スチルカメラは小さくて軽い方が体への負担が和らぎます。ネコは一日の大半を寝ているので、起きた時が勝負。シャッターチャンスを失ってしまうと大変です。腰をかがめて、その瞬間をじっと待ち続ける体力だけは、頑張って維持しています。

 写真家人生で数え切れない種類のカメラを使ってきましたが、それぞれのカメラの性能を比べることはないですね。もともと何かを比べることを、あまりしないんです。子供の頃、すごい友達がいても、うらやましいと思う前に誇らしかった。彼は彼、ぼくはぼく。今も変わりません。だから、その時に使っている最新鋭のカメラが自分にとってのベスト。カメラと技術者を信頼するのが一番です。

キャップも必須アイテム

 カメラのほかに、撮影時の必須アイテムとしては頭にかぶるキャップもあります。5年ほど前にデザインして、作ってもらいました。通常のキャップは前頭部を覆う部分が硬めで、立つように見えてかっこういいんですが、柔らかくしてもらいました。これを丸めてカメラのカバンに収納できるので便利ですよ。ぼくの写真展の売店で販売しています。

 撮影の際に、つばを前に向けるとファインダーに当たってしまうので、常に前後をひっくり返してかぶります。ネコを追って狭い路地に入ると、よく頭を壁などにぶつけてしまうんですね。ぼくは髪の毛を短く刈り込んでいますから、直接当たると痛い。これをかぶっていれば、クッション代わりにもなります。

 このキャップの前の部分にネコ…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment