森下香枝
東京都心の繁華街でネズミの目撃や苦情が急増している。衛生面での問題や、街のイメージダウンにもつながりかねず、自治体や商店街が対策に本腰を入れている。
銀座の商店街や町会・業界団体などを束ねる「全銀座会」が、もともと対策に乗り出したのは5年前。目撃情報が多く寄せられるようになり、19年9月から1年間、大規模な駆除とゴミ出し調査を実施した。
ネズミを増やさないためには、生ゴミを食べられないようにすることが重要だ。そこで同会は、ゴミ袋をフタつきのゴミ箱に入れることや、深夜に出して早朝に収集するよう飲食店などに呼びかけた。その結果、ゴミ箱でのゴミ出し率は22%から60%に増えた。
しかし、コロナ禍を経て、飲食店が徐々に通常営業を再開するようになった22年9月~23年6月の間、ネズミが毒餌を食べた量が前年比1・5倍に。目撃情報も増えた。コロナ禍で入れ替わった飲食店もあり、フタつきのゴミ箱を使う比率も低下傾向のようだ。
コロナ禍による影響とは別に、千代田区の担当者からはこんな指摘も。「カラスの駆除が進み、子ネズミを食べるカラスが減ったからでは」
同区に寄せられるネズミの苦情件数は、14~18年は年間50件前後だったが、19年は169件に急増。昨年は203件に上った。区は今年度、関連予算約1600万円を計上。業者に駆除を依頼し、約3年かけて実態調査もする予定だ。(森下香枝)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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