スウェーデン王立科学アカデミーは7日、今年のノーベル化学賞を、ゲノム編集の方法を開発した、フランスのエマニュエル・シャルパンティエ(51)、米国のジェニファー・ダウドナ(56)の2氏に贈ると発表した。
遺伝子を改変するゲノム編集技術「CRISPR(クリスパー)/Cas9(キャスナイン)」を開発した。従来の方法よりも使いやすく、効率よく遺伝子を改変できるため、病気の治療などの医療分野のほか、農作物の品種改良などにも利用され始めている。ダウドナ氏らは細菌がウイルスから身を守る仕組みを解明し、ゲノム編集技術として応用できることを示した。
この技術につながる「源流」の発見者は日本人だ。九州大学の石野良純教授らは1980年代、大腸菌の遺伝子に、ある塩基の配列が何度も繰り返し存在していることに気づき、それを国際誌で発表していた。この繰り返しの配列こそ細菌がウイルスを殺す「免疫機構」で、後に「CRISPR」と呼ばれることになった。
賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)で、受賞者で分ける。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、メダルは12月10日に受賞者の国で授与される。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル