がん免疫治療薬「オプジーボ」につながる研究で、ノーベル医学生理学賞を受けた本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授が、オプジーボを製造販売する小野薬品工業(大阪市)から支払われた特許の使用対価をめぐり、大阪国税局から2018年までの4年間で約22億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。
関係者などによれば、本庶氏は発見したオプジーボの元になる分子「PD―1」の特許について、共同出願した小野薬品工業と06年に使用契約を結んだ。
契約では、小野薬品工業がその特許を用いて薬を販売する場合、販売額の一部を、特許の使用対価として本庶氏に支払うなどとする内容だった。だが本庶氏は対価が低すぎるとして受け取らなかったため、小野薬品工業は法務局に供託。国税局は供託金であっても有効な契約に基づいており、課税対象となる本庶氏の所得にあたると判断したとみられる。
この契約をめぐっては、本庶氏側は、特許の経済的価値や対価などについて認識を誤ったまま契約したなどと小野薬品工業側に申し入れ、同社側から契約の条件変更の提案が示されたが、契約は改定されないまま14年、オプジーボの販売が始まった。
所得税の追徴税額は過少申告加算税を含め約7億円で、意図的な税逃れではないとして、重加算税は課されなかったとみられる。
本庶氏は9日、朝日新聞の取材に対し「ルールであり、僕は特例ではないということ。税理士、弁護士に相談して法律に従った」と語った。すでに修正申告したという。
小野薬品工業は今年7月、同社…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル