ハンセン病元患者家族への補償を巡り、超党派の国会議員グループが改正を目指すハンセン病問題基本法の条文案が31日、判明した。国の隔離政策で差別を受けた患者の名誉回復などを目的とする同法に、家族のための規定を追加。前文で「家族についても地域社会から孤立することなく、良好かつ平穏な生活を営むことができるようにするための基盤整備を行い、偏見と差別のない社会の実現に真摯(しんし)に取り組んでいかなければならない」と明記した。
西日本新聞が入手した条文案によると、前文で「家族についても(患者と)同様の未解決の問題が多く残されている」と指摘。法律の基本理念を示す第3条では「何人(なんぴと)も、家族に対し、家族であることを理由とした差別や他の権利侵害をしてはならない」(一部要約)と規定した。
さらに第17条では、差別が原因で元患者と家族の関係が悪化した例を念頭に「国と地方公共団体は家族関係の回復を促進し、家族が日常生活や社会生活を円滑に営めるよう相談に応じるなど必要な措置を講じる」(同)としている。
改正案と併せて成立を目指す新たな補償法の条文案も判明した。国は現段階で補償対象を約2万4千人と見積もり、事業経費として約400億円を見込んでいるという。
関係者によると、両法案は議員立法を目指して11月上旬にも臨時国会に提出、早ければ11月中旬にも成立、施行される見通しだ。 (一瀬圭司)
西日本新聞社
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