ハンセン病学んだ職員、島比呂志さんを広報で特集 「これで故郷に」

 「没後20年 島比呂志」

 香川県観音寺市が市民に配布する「広報かんおんじ」6月号に、そう題した8ページの特集が組まれた。

 島は観音寺市で生まれた作家で、本名は岸上(きしうえ)薫。ハンセン病国家賠償訴訟の名誉原告団長を務め、2003年に84歳で亡くなった際は全国ニュースになった。だが、市ゆかりの人と知っている市民は多くない。

 特集を発案し、取材、執筆したのは、市秘書課係長の安藤恵子さん(39)だ。

 「島さんのことを市民に知っていただかないかん、と思いました。それが故郷に帰ってきて頂くことにもなる、と」

 島は28歳でハンセン病の療養所に入り、特効薬が普及し「治る病」になっても強制隔離が続く不条理を文筆で訴え続けた。患者の隔離を定めた「らい予防法」が1996年に廃止された後、ほかの回復者らと訴訟を起こし、2001年に国の政策を初めて違憲と断じた熊本地裁判決を引き出した。

 歴史を動かしたそんな人物が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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