バイク運転にご注意 死者36人、40~50代で増 警視庁

 バイク(自動二輪と原付き)の死亡事故が増えている。都内では特に40~50代の死者が多く、警視庁はこの世代を対象に講習を開くなど、対策に力を入れている。バイク事故を含む交通事故全体でみても、今年の都内の死者数は100人を超えており、同庁は交通安全を呼びかけている。

 4日、同庁交通安全教育センター(東京都世田谷区)では、40~50代に限定したバイクのスクールが開かれた。男女41人が参加し、最近の事故の傾向を座学で学んだ後、実際にバイクに乗って講習を受けた。

ブレーキかけるまで約1秒の時差

 急ブレーキをかけるテストでは、大半の参加者が、停止するまでに十数メートル進んだ。指導に当たった白バイ隊員によると、信号や障害物に気付いてからブレーキをかけるまでに、約1秒かかるという。

 免許をとって30年以上という、川崎市の会社員男性(55)は「被害者にも加害者にもならないように」と参加。趣味のツーリングでバイクに乗るが、運転技術を教わる機会はあまりないという。自分が思うよりブレーキのかけ方が甘かったと気付いたといい、「今まで以上に車間距離をとりたい」と話した。

 今回、同庁が40~50代のバイク乗りを対象に講習を開いたのは、死亡事故の増加傾向が背景にある。交通総務課によると、都内で今年、バイク乗車中の事故で死亡した人は36人(3日時点、前年同期比3人増)で、うち40~50代が20人(同3人増)を占めた。

通勤帯に死亡事故が多発

 バイクの死亡事故(1~9月)の発生時間は午前6~10時と午後6~8時が多く、同庁は、通勤時間帯に事故が起きやすいと分析。中年の死亡事故が多い原因は不明だが、担当者は「免許をとってから年月を経たライダーも多く、今まで事故に遭わなかった経験から気が緩むケースもあるのでは」と指摘する。

 全体でみると、今年、都内の交通事故で亡くなった人は104人(3日時点、前年同期比2人減)。このうち、50代の死者数が25人(同5人増)と、他の年齢層と比べて多い。

 状態別では、バイクのほか、自転車でも死者が前年同期より1人増え、25人だった。今年4月に改正道路交通法が施行され、自転車乗車時はヘルメット着用が努力義務化された。頭への衝撃が致命傷になることがあり、同庁は引き続きヘルメット着用を呼びかける。

 例年、年末にかけて死亡事故が増える傾向にあることから、同庁は取り締まりも強化するという。御船紗子

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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