バスやタクシー運転者の名札、掲示義務を廃止へ プライバシーに配慮

 バスやタクシーの車内に設置されている運転者の名札について、国土交通省は事業者に掲示を義務づけることをやめる。タクシーでは、あわせて掲示を求めてきた顔写真の見直しも検討する。いずれもプライバシー意識の高まりを受けたもので、国交省は近くパブリックコメントを募って関係省令を改正し、今夏をめどに施行する方針だ。

 道路運送法に基づく省令では、バスやタクシーの運転者の氏名を「旅客に見やすいように掲示しなければならない」と定められている。バスでは車内の高い位置に名札を掲げたり、タクシーでは乗客から見える所に証明書を置いたりしている。運転者に責任感を持たせ、乗客が利用した車両を特定しやすくするためだ。

 さらにタクシーの証明書では、顔写真を載せるよう決められている。トラブルが起きた際の特定を容易にすることで、責任をより明確化するねらいがあるという。ただ、働き手のプライバシー保護や、客が理不尽な要求をするカスタマーハラスメントを防ぐ観点から、必要性が疑問視されるようになっていた。

 改正後は、運転者の氏名を掲示しなくなる事業者を想定し、表示が義務化されている車両の識別番号などで、乗客が利用した車両を把握できるようにする。タクシーの運転者の顔写真については、普段は客から見えない場所に保管するといった代替策を検討する。

 国交省幹部は「ドライバーの…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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