【千葉】南房総市のJR内房線・和田浦駅の近くにある民宿「四季の宿じんざ」には、最近新しい客が増えている。
きっかけは、宿泊客が昨年3月に「ユーチューブ」に投稿した動画だ。「大大大満足の夕食です」「恐るべし南房総!」などのテロップと共に、テーブルいっぱいに並べられたクジラのフルコースが映し出されている。
房総特産の「くじらのたれ」、「ベーコン」「お刺し身」「カツ」「竜田揚げ」「にぎりずし」「ハリハリ鍋」「南蛮漬け」「ステーキ」――。視聴回数は8万回近くにのぼった。
民宿を経営する石井英毅(59)は「初めてクジラの刺し身を食べた人は『柔らかくてくせが無く、おいしい』と喜んでくれる」と笑う。「料理は少しずつ、品数豊かに。様々なクジラのおいしさを知って欲しい」と思いを語る。
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「じんざ」は1965年、石井の父が始めた。88年ごろから、調査捕鯨によるいろいろなクジラ肉が手に入るようになった。「関東唯一の捕鯨基地の和田浦でクジラを名物料理にしよう」と石井ら民宿や飲食店経営者ら約30店が集まり、96年に「和田町くじら食文化研究会」を結成した。料理の種類を増やすなど鯨食文化の普及に努めてきた。
「ツチクジラは和田浦のソウ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル