遠田寛生
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は20日、東京で開かれたIOC総会の冒頭で演説し、東京オリンピック(五輪)の開催に疑念を持っていたことを初めて明らかにした。
バッハ会長は「延期を決めてから15カ月間、非常に不確実な理由で日々の決定を下さなければならなかった。私も未来がどうなるか分からなかった」と述べたうえで、「どんな犠牲を払っても前進すると解釈もされた。しかし、(もし発言すれば)我々の疑念はその通りになっていたかもしれない。五輪はバラバラになっていた可能性がある。だからこそ、我々の胸の内に疑念をとどめなければならなかった」と明かした。
また、陽性になった選手らの情報を公開しないことについて、IOCの広報担当者は総会後の記者会見で「医学的な情報なので、これまでもそういう場合は名前や身元が分かるような情報は出していない」と正当性を主張した。
この日の総会では、大会組織委員会の橋本聖子会長が開幕前の最終報告をした。橋本会長は記者会見で「(開催決定から)7年積み上げてきたものがゼロになることもあった。組織委が存続する以上はしっかりとレガシーを残したい」と話した。
総会は2日間にわたって行われ、21日は2032年夏季五輪の開催地をオーストラリアのブリスベンにすることを承認するかどうかの投票が行われる。(遠田寛生)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル