バナナを食べるとき、皮はむいて捨てる。しかし、一本のバナナを食べるまでには皮以外にも捨てられている部分が大量にあることをご存じだろうか。それは、茎。生産国では、茎の焼却が大気汚染の原因の一つになっている。 【映像】バナナからデニム!? 売上好調、その着心地は こだわりのデニム製品を展開するJAPAN BLUE JEANSが、今年7月に販売を開始した「THE BANANA DENIM」(通称・バナナデニム)。バナナの茎を繊維状にしたものとコットンを混ぜ、糸状にしたもので縫製されている。
このバナナデニムの開発担当・岸本裕樹氏は、バナナに関する衝撃的な事実を知ったことが開発のきっかけだと話す。「タイの友人の家で『バナナの木があるから年中食べれていいね』という話をしたときに、『一回実がなっているから、もう実がならないんだよ』という話をされて」。 日本で1人当たり年間およそ8キロ消費されているバナナ。実は、一度しか実がならないため、収穫が終わった茎は切り落とされて廃棄処分される。廃棄物は年間10億トンを超えるといわれ、再利用が世界的に検討されている。 「多少は公害を減らせるかと思い、トライしてみようということになりました」と話す岸本氏だが、バナナの繊維とコットンの配分が難しく、納得のいく生地が出来上がるまでには試行錯誤の連続だったという。「コットンとバナナ(の茎の繊維)を混ぜれば糸にはなるんですけれど、生地を染めるとか織るとなると、糸に柔らかさが必要だったり、量産までは難しいということと、着心地的にザラザラしすぎるので」。
「環境問題への貢献と着心地を両立する」。そんな強い思いからたどり着いたベストなバランスがバナナの繊維18%、コットン82%の比率だった。「最終的には縦糸をコットン100%にして、横糸だけバナナが入った糸を使うようにして生地を織るようにしています」。生地を職人が手作業で縫製し完成した「バナナデニム」は、バナナの茎の繊維を使用したことで、コットン100%のデニムよりも軽量で高い通気性や吸湿性があるという。 新型コロナウイルスの影響で店舗の客足は半減しているが、「バナナデニム」の売り上げは比較的好調で、多くの商品が「残りわずか」だという。岸本氏は、「デニムをバナナで作った」ということが話題になることで、洋服の原料が何なのか、色を付けるための染料、洗うために大量の水が必要なことなど、環境への影響に消費者が関心を持ってもらえれば、と話していた。 「ちゃんとしたサンプルができるまでに1年くらいかかりました」と明かした岸本氏。ひたすらバナナと向き合ってきたであろう製作期間で「ババナが嫌いにならなかったか」と聞いてみると、「毎日食べていました、バナナは」と笑顔を見せていた。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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