磯部征紀
鉄道駅のバリアフリーを進めるため、国土交通省は19日、運賃に整備費用を上乗せできる制度を12月に創設すると発表した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏で最大10円の上乗せを想定しており、開始は2023年春以降となる見込み。
国交省は12月下旬に関係省令を改正し、来年1月から、希望する鉄道会社に上乗せする料金や整備費用などの計画を提出してもらう。
上乗せした料金の使い道は、ホームドアやエレベーターの設置などバリアフリー設備に限定。透明性の確保のため、整備計画や毎年度の進み具合も公表する。通学定期は対象外とするなど、家計負担への配慮を行うように求めている。
国の検討会が2018年、バリアフリー化は高齢者や障害者だけでなく利用者全体の利益につながるとして、整備を加速させるために利用者に一定の負担を求める料金制度を提言し、今年5月にも関連の閣議決定がされた。利用者が多い都市部で薄く広く負担してもらい、国の予算を整備が進まない地方に投入する狙いがある。
国が18年に実施したアンケートでは、運賃への上乗せに対する賛成意見は約5割で、反対意見は2割弱。上乗せ額については、少なくとも10円の上乗せは妥当という意見が約6割をしめた。
国は、25年度までに3千カ所にホームドアを設け、1日2千人以上が利用する全3885駅にエレベーターやスロープを設置する目標を掲げている。
19年度末時点でホームドアは1953カ所、エレベーターなどは1日3千人以上が利用する駅の9割にあたる3288駅で設置を終えている。(磯部征紀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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