(悩みのるつぼ) 相談者
40代、バリキャリ(バリバリのキャリアウーマン)の専門職です。20代で都心にマンションを買い、今も独身で、同年代男性以上の収入があります。
1年に数回は趣味の海外旅行を楽しみ、一緒に行ってくれる友人もいますし、旅行する分には困らない程度の語学力もあります。自分の稼ぎで衣食住を賄えることに誇りを感じており、大きな不満もありません。
最近父が病気で急逝し、70歳を超えた母が残されました。相談はその母のことです。就労経験のない母は、自分で何も決められません。待ち合わせの日時も場所も、旅行では宿も食事も、立ち寄る名所もすべておんぶにだっこ。けれど不平不満は口にします。
私は自分で考えない人が嫌いで、昔から母と意見が合いませんでした。公務員を数年勤めたら結婚して専業主婦になるような娘が欲しかった母と、年収が上がることにアイデンティティーを見いだしている私では妥協点がないように思います。
父とは仲が良く、その父の遺言でもあり、母の面倒は見たいのですが、本も読まず映画も見ず、人の悪口と自分が哀れであることにしか興味がない母との時間がとても苦痛です。一方で老いた母につらく当たってしまう自分はもっと嫌なのです。
今後10年か20年、私はどのように母に接してゆけばいいのでしょうか。
回答者 社会学者・上野千鶴子
40代、おひとりさま。バリキャリで経済力もあり、マンションも確保し、友人にも恵まれ、海外旅行も謳歌(おうか)していらっしゃるご様子。おひとりさま資源をたっぷり持った理想のおひとりさま、ですね。
自分ひとりのことならなんとかなる、でも親とのつきあいはどうにもならない……お悩みはわかります。あなたは父に依存しっぱなしだった専業主婦の母を反面教師として、たぶん母の隠れた望みを達成してしまったのですね。
「三従の教え」には、女は子ど…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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