パイナップルに含まれる酵素の働きについて研究した兵庫県立宝塚北高(宝塚市)の生徒が、科学技術の研究成果を競う「JSEC(第18回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)で「阪急交通社賞」を受賞した。
研究したのは、グローバルサイエンス科2年の谷川茉緒(まお)さんと大久保茉亜子(まあこ)さん。パイナップルでゼラチンのゼリーを作ろうとしても、固まらない。これは、パイナップルに含まれる酵素に、たんぱく質を分解する働きがあるためだ。ところが、クエン酸とマグネシウムイオンを加えると、固まらせることができる。
2人はこの現象に着目。どのような条件なら酵素の働きが抑えられるのか、実験を重ねて解き明かした。昨春に研究を始めたが、新型コロナウイルスの影響で休校がしばらく続いた。「休校期間があり大変だったが、条件を細かく分けて実験し、明らかになっていくのは楽しかった」と話す。
昨年12月にオンラインで開かれたJSECの最終審査会では、身近で安価なものを活用した興味深い研究と評価された。研究成果は、医療などで幅広く活用できる可能性があるという。
今月9日、同高を訪れた阪急交通社の丸山徹・取締役執行役員から賞状を贈られた。谷川さんは「薬の研究や開発に興味がある」、大久保さんは「生命や人体などの分野の研究職に憧れる」と、それぞれ将来の夢を語った。(藤田明人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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