「自然に忠実に」。19世紀イギリスで、画学生らはそんな理念一つを旗印に集まった。あべのハルカス美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡展」は、美術批評家ラスキンが投げかけた思想の広がりが一望できる。24作家の哲学と、いろんな事情が入りまじる群像劇のようだ。
抽象的な風景画で批判を浴びるターナーに心酔したラスキン。ターナーを擁護するべく彼が出版した「現代画家論」にホルマン・ハント、ミレイが共鳴し、ロセッティら5人も加わって1848年にラファエル前派同盟をつくった。ラファエロを至高とするアカデミーに反発し、初期ルネサンス以前の素朴な精神性をめざした。
ラスキンの妻と恋仲だったミレ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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