新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく大阪府の強い休業要請を受けたパチンコ店7店舗が30日、特措法で最も強い「休業指示」を受ける前に営業を自粛した。感染拡大防止を図る吉村洋文知事の強気の姿勢とともに、罰則規定がない現行法の改正を視野に入れた国や全国知事会の動きが、店側の対応を変えたといえそうだ。
「僕が指示を出すといわなければ変わっていなかったと思う。強権といわれたが、これが結果だ」。吉村氏は30日、7店舗の休業を受け記者団にこう述べた。
吉村氏が指示に言及したのは4月27日。「慎重な判断が必要だが、国と調整し指示の準備にすでに入っている」と明らかにした。
その後も府は厳しい態度を貫いた。国の指針では、特措法の指示は行政上の不利益処分とされ、原則として店側の弁明が必要とされるが、府は「緊急を要する」として国と調整、弁明の機会を与えなかった。
強硬姿勢の裏には「5月6日まで営業自粛を徹底しなければ、感染拡大を抑えられない」という吉村氏の思いがある。府の関係者も「営業の自由を制限するかもしれないが、最大限の措置を取ることが行政としての意思表示だ」と語った。
特措法の“欠陥”の一つとされる罰則の欠如をめぐり、西村康稔経済再生担当相は4月27日、指示に従わない事例が多発すれば、法改正で罰則規定を設ける考えを表明。29日の全国知事会でも罰則規定を求める声が上がった。
こうした動きを受け、店側も「府と話し合いたいという方向に変わった」(府関係者)という。
それでも課題は残る。パチンコ店がギリギリまで営業を続けた理由として、現行法に補償規定がないことが挙げられる。吉村氏は緊急事態宣言の延長を想定し「延ばすなら補償をきっちりやる。(国は)経済(の悪化)で人は死なせないというメッセージを出さないと無責任だ」と強調した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース