新型のパトカー赤色灯が、来年度から各地で導入されることが決まった。緊急走行中とパトロール中とで光り方が変わる。聴覚障害者は緊急時に鳴らされるサイレン音が聞こえにくく、見た目で判別できるようにという要望が出ていた。
警察庁によると、全国のパトカーに搭載されている赤色灯は、緊急走行時とパトロール時で光り方は同じだ。0・5秒間隔でチカチカと光り、緊急走行時にはサイレンを鳴らすことでパトロール時と区別している。
近づくパトカー、聴覚障害者は不安に
しかし、聴覚障害者はサイレンの音が聞こえにくい。全日本ろうあ連盟(東京)は2012年以降、赤色灯の見た目で状況が判別できるように、警察庁に改善を要望してきた。連盟によると、聴覚障害者は車を運転中にパトカーが近づいてくると、道をあける必要があるかどうか分からず、不安になるという。
連盟の理事で、自身も聴覚障害がある吉野幸代さんは、運転中に赤色灯が光るパトカーが近づくと、迷惑をかけないように毎回、車を路肩に寄せる。だが、その後に赤信号でパトカーが止まるのを見て、緊急走行ではなかったと気づくこともあるという。「赤色灯の光り方が変われば運転中の不安がなくなると思う」と吉野さんは話す。
道路運送車両法に基づく告示で、パトカーの赤色灯は300メートル手前から光が見え、赤色であることと定められている。光り方には決まりがない。
赤色灯の開発を担った回転灯製造会社「パトライト」(本社・大阪市)は、蛍火のようなゆったりとした光り方であれば緊急走行時と区別できると考えた。近年は赤色灯の灯体に電球ではなくLEDを使っており、ゆっくり発光をさせることが可能だという。同社は、パトロール時だけ2秒周期でぼんやりと発光する光り方を生み出した。車内にあるボタンで光り方を切り替えられる。
新型赤色灯 呼び名は「ホタル」
23年3~6月に埼玉県警で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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