パナソニックのヘアドライヤーの広告の説明が消費者を誤解させるとして、ライバル社の家電大手ダイソンが不正競争防止法に基づいて広告の差し止めを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(杉浦正樹裁判長)であった。判決はダイソンの請求を棄却した。
ダイソンが問題視したのは、パナソニックの「ヘアードライヤーナノケア EH―NA0G」の広告。
訴状などによると、パナソニックは独自の微粒子イオン技術「ナノイー」による効果について、「水分発生量 従来の18倍」「高浸透ナノイーで髪へのうるおい1・9倍」「カラーの色落ちを抑える」などと表現していた。
ダイソンが独自に効果を検証
ドライヤーも販売するダイソンは、広告で使われた計五つの表現について、独自に東洋大の研究者に実験を委託して効果を検証。その結果、大幅に下回る数値が出たり、統計的に有意な差が出なかったりしたと主張した。
そのうえで、消費者に性能を誤認させる広告は「不正競争行為」にあたり、このまま放置されると「ダイソンの営業上の利益を侵害される恐れがある」として差し止めを求めていた。
これに対しパナソニック側は「ダイソンの実験は方法が不適切で、(広告でうたった性能の)正確性に合理的な疑問を差し挟むものではない」などと反論していた。(田中恭太)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル