パラリンピック開催後、日本はどうするべきか?(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。1月13日(月・祝)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、フリーアナウンサーの丸山裕理さんが“パラスポーツ”の現状と抱えている問題点を解説しました。

◆聖火リレー 3月から実施

今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催。7月24日(金・祝)のオリンピック開会式に向け、3月から聖火リレーが行われます。ヘッドライン社長で早稲田大学研究員客員教授の一木広治さんによると、3月19日(木)にアテネで聖火引き継ぎ式があり、今回は「復興五輪」ということで聖火は宮城県・仙台の自衛隊基地へ。そして、3月26日(木)に福島県のJヴィレッジから聖火リレーがスタートし、全国をまわり東京へと戻る形となっています。

◆パラスポーツの認知進むも……

そんな中、笹川スポーツ財団が障害者のスポーツ環境について行った調査によると、98.2%が「パラリンピックを知っている」と答えた一方で、障害者のスポーツ実施率は20.8%。公共のスポーツ施設が全国に5万2,844施設あるとされるなか、障害者専用・優先の施設は115施設しかなく、同財団は「地域によって障害者が気軽にスポーツができる環境ではない」と指摘しています。

パラスポーツの現場を取材して4年目になる丸山さんは、「パラリンピックの後、どうするのかという問題をぜひ考えたい」と切り出します。パラリンピックの認知度は上がっているものの、週に1日以上スポーツをしている障害者は21%。一方、最新データでは健常者は55%の人が週に1日以上体を動かしているそうです。

その背景には、「“する”スポーツへの障壁が高過ぎる」と丸山さん。スポーツ観戦はアクセシビリティやバリアフリーが進み、障壁がさほど高くなくなったものの、“する”壁はまだまだ高いと訴えました。

外的要因としては、そもそもスポーツをする場所がないこと。さらには指導員や介助者不足といったマンパワーの問題も。そして、「これは意識の問題とも言える、理解不足」と訴えるのは内的要因。例えば、体育館で車いす競技を行う際、タイヤ痕がつくと利用を拒否されることや、知的障害者や発達障害の児童がプール受け入れを拒否されることもあるようです。

これを聞いたMCの堀潤は、「障害者差別解消法を含め、さまざまな法制度化を進めてきたけど現場ではまだこういうことが起きているんですか」と憤ります。しかし、「何をするかわからない不安がある」という意見があるのが実情で、丸山さんも「日本で深刻な問題」と指摘。

では、そうした障壁を下げるためにはどうすればいいのか……。外的要因でもある「場づくり・マンパワー」は徐々に解消され、最近では障害者スポーツ指導員の育成も進んでいるそう。さらには、「教員の養成過程における障害者スポーツ科目の必修化なども叫ばれている」と言います。

一方、理解の部分では「正しい知識を得ることが重要」と丸山さん。例えば、競技用車いすも現在は改善が進み、タイヤ痕はほとんど残らなくなったそう。そして、「障害者が健常者と一緒に参加するスポーツ大会の拡大」を促します。

総じて丸山さんは「合理的配慮の普遍化」を主張。これは、障害者に限らず「高齢者やがん患者の方がスポーツをどう楽しむかなどにも繋がっていく」と言い、「当事者の範囲を広げていくことが大切」と話していました。

一木さんも、オリンピック・パラリンピック後、残すべきは「心のバリアフリー」と声を大にします。そして、それを広げるためには機会や場を増やすことが重要と指摘し、「知ることによって子どもたちは感じる」と述べていました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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