パラレル共同代表に聞く 新たな音声SNSにハマる若者たちはいま

 新聞は読まない。テレビも見ない。じゃあ若者は毎日何を? 利用者の8割がZ世代という音声SNS「パラレル」の生みの親で共同代表の青木穣さん(32)に聞く。

 いきなりですが質問です。1日の通話時間はどれくらい? 30分? 長くて1時間? いえいえ、平均3時間というデータがある。

 「特に長すぎるとは思いません」

 調査したパラレルの青木さんは淡々と話す。

 「3時間といえば、皆さんが外出して友人と遊んでいる時間くらいの長さじゃないでしょうか」

 パラレルがサービスを始めたのは2019年。1年半で100万人がダウンロードするなど、いま急速に利用者が増えている。

 勉強中に食事中、外出時や風呂の中。寝る時もつないだままで、中には平均21時間以上通話する人も。「寝落ち通話」「オンライン同棲(どうせい)」なる言葉も生まれた。常時接続の世界は、確実に若者の生活習慣を変えている。

同時視聴、推し活にも

 青木さんによると、最近の若者は体験の共有が当たり前になっているという。

 「SNSと一緒に育った世代は、体験を自分の中で閉じません」

 SNSで「いいね」をもらい、お気に入りや趣味を公開する生活が習慣化している。

 「共有が根底に染みついている世代なので、テレビも勉強もお風呂も1人は嫌、という傾向が強く出やすいんでしょう」

 ドラマからユーチューブ動画、映画まで。山ほどあるコンテンツは、はやりの「推し活」も支える。

気楽にスマートに

 若い世代にとって、「相手の邪魔をせずつながれるのもポイントです」。

 最近は電話の苦手な若者も多い。今かけていいかどうか、タイミングを計るのが難しく、気兼ねしてしまう。

 アプリ通話は、グループの共有の「部屋」がオンライン上にあり、話したい時に話したい人が勝手に集まる。自然に、ストレスなくトークができる。イメージは「オンラインのたまり場」だ。

 「図書館に集まって勉強したり部室でたむろしたりする習慣って、昔からありますよね。友達と集まりたいという欲求は今も変わっていません」

ヒットのサービスはどこから生まれたのか。きっかけは、あの映画と同級生の存在でした。ある「約束」をし、同じタイミングで脱サラ、起業するまでのストーリーは記事後半で。

■友達と企業、出発はゲーム…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment