パルナスが「モスクワの味」掲げたワケ 冷戦時代にシベリア鉄道で

 なぜパルナス製菓は「モスクワの味」を名乗ったのだろうか。

 創業者の古角(こかど)松夫は1923年に今の兵庫県加西(かさい)市で生まれた。姫路陸軍病院教育隊で終戦を迎え、戦後の食糧難の中、神戸で食品関係の商いを始め、52年に大阪でパルナス製菓株式会社を設立。2002年に黒字のまま会社を清算した。来年3月で設立から70年、清算から20年となる。

 古角が亡くなる前年の03年春、故郷の加西市で「パルナス展&古角松夫コレクション展」が開かれた。所蔵の名画やパルナス関連グッズなど市への寄贈品は約3200点に及ぶ。開会式では「オージナ」という歌も披露された。パルナスに技術指導して「パルナスの母」と呼ばれ、ソ連の労働英雄の称号を持つ菓子職人、エフドキヤ・オージナ(1918~2006)との交流から生まれた歌だ。

 同じ03年、オージナはロシ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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