昨年9月末の劇団員死亡から半年。歌劇団は、上級生によるパワハラを認めることに、消極的な姿勢をとり続けてきた。
11月14日、外部弁護士による調査チームの報告書を公表し、「長時間に及ぶ活動などで心理的負荷がかかった可能性は否定できない」として管理責任を認める一方、死亡した劇団員へのパワハラやいじめは「確認できなかった」と主張。会見の場で村上浩爾・専務理事(現理事長)が「(パワハラだとするなら)証拠となるものをお見せいただきたい」とも発言した。
これに対し、遺族側は強く反発。死亡の原因として、上級生によるパワハラがあったとする事実を認め、謝罪するよう求めた。
歌劇団側と遺族側による面談は11月下旬から始まったが、話し合いは難航した。
トップスター頂点とした序列と指導 パワハラ認識にズレ
歌劇団はトップスターを頂点とした序列が各組にあり、5組それぞれ80人ほどが結束して舞台をつくる。その中で上下関係の徹底した指導法がとられてきた。
パワハラをめぐる認識にも、一般社会との乖離(かいり)は否めなかった。歌劇団を運営する阪急電鉄の関係者は「芸を極めるには少し厳しいこともやるでしょう。それを愛ととるか、いじめととるかは、立場によって見方が違う。それをどう判断すればいいか、困っている」と漏らしていた。
2度目の話し合いで幹部や上…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル