大分大学教授・田中修二
19世紀末の英国人画家オーブリー・ビアズリーと、彼につながる西洋の画家たち、さらにその日本への影響を紹介する展覧会が、単独の自主企画展として山口県の下関市立美術館で開催されている(29日まで)。
繊細で妖艶(ようえん)な線描と、大胆な白と黒のコントラストによって、人間の心の奥底まで表現したビアズリー。25歳の短い生涯のなかで、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の挿絵など、西洋美術史にのこる名作を生み出した。最初の展示室のガラスケースに置かれた、同館の所蔵品である文芸誌『イエロー・ブック』の表紙と挿絵も、彼の代表作として知られる。
「なぜ下関でビアズリー展?」と、少し不思議に思ったものだが、きっとこれが出発点になったのだろう。そこから自館のみならず、九州の美術館などが所蔵するビアズリーとそれに関わる作品を集めて、その「系譜」を独自の視点からとらえる展示となった。
ロートレックやミュシャのポ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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