久永隆一 谷瞳児 佐野楓
中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)が25日、社内の連絡ツールとして使用していたLINEのアカウントを会社支給の携帯電話から削除するよう、全社員に通知した。同社のLINEのグループでは特定の店舗や従業員が「つるし上げられる」といった批判が出ていた。
東海地方で店長を務めていた30代男性によると、社長も加わるグループでは、店ののぼりがよれているだけで「どうなっているのか」と詰め寄られ、対応を求められることもあったという。休日で起床が遅い時などはメッセージが500件ほどたまり、自分の店が何か指摘されていないか探し、あれば出勤した。恋人と旅行中でも店に飛んで帰ったという。
別の元店長の30代男性は入社から2日目で、当時の上司から「全国のグループLINEでさらされているぞ」と知らされた。髪形を問題視され「こいつはヤンキーですか」と書き込まれていたという。このほかにも従業員を写したカメラの映像がアップされ、「仕事しているんですか」などと投稿されることもあったという。
LINEアカウントの削除を求める通知は、同社が25日、社長の引責辞任などを公表した記者会見の後にメールで送られた。差出人は26日付で新社長に就く和泉伸二専務。「本気の風土改革」を行うと宣言し、「改革の第一弾」として「全店のLINEの使用をすべて止める」のだという。
しかし別の現役の男性自動車整備士は「会社と現場のやり取りはLINEに残されている。情報を隠蔽(いんぺい)しようとしているように思える」と不信感をぬぐえないでいる。(久永隆一、谷瞳児、佐野楓)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル