遠藤美波 長妻昭明 増山祐史
中古車販売大手ビッグモーター(BM)の店舗前の公道の街路樹が傷つけられた問題で、警視庁は、東京都多摩市など都内の複数の店舗前で街路樹を伐採したり除草剤をまいたりしたとして、同社の兼重宏一・前副社長(35)や店長の男性ら10人以上を器物損壊容疑で4日にも書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
街路樹問題をめぐり、前副社長の書類送検が明らかになるのは初めて。
捜査関係者によると、兼重前副社長ら10人以上はそれぞれ共謀するなどして2023年夏までに、BMの都内の複数の店舗近くで、都管理などの樹木を切断したり、除草剤をかけたりして損壊した疑いがある。
警視庁はこのうち多摩店について、兼重前副社長の一定の関与を捜査で確認したという。都によると、多摩店の周辺では約20本のサンシュユが切られるなどしていた。
警視庁は23年9月に多摩店を含む都内9店舗や東京都港区のBM本社(当時)を、23年12月に兼重前副社長宅を同容疑でそれぞれ家宅捜索。都は今年1月、多摩店を含む都内7店舗周辺で被害を受けたとして警視庁に告訴し、受理されていた。
街路樹問題では神奈川県警が今年1月、BMの「環境整備推進委員」の50代の男について、川崎店(川崎市)の店長らに指示して街路樹を22年10月に切断したとして、器物損壊容疑で逮捕。同県警は、店長らが降格や左遷を恐れて従ったとみていた。警視庁の書類送検対象にこの50代の男は含まれていない。
警察庁によると、街路樹問題で自治体などからの被害届は、20都道府県で計51件寄せられている(1月30日時点)。(遠藤美波、長妻昭明、増山祐史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル