勤務する神戸を離れ、能登半島地震で被災した石川県輪島市を1月末から2月上旬に取材した。今なお断水が続き、避難所生活を余儀なくされている被災者との出会いの中で驚かされたのは、地域コミュニティーの結びつきの強さだった。
取材のきっかけは、輪島市が配布している、避難所の一覧表だった。
学校の体育館など行政が運営する「指定避難所」に加え、お寺や町内の集会所、個人宅などの「自主避難所」がいくつもあった。
なぜ指定避難所に行かないのだろうか。そんな疑問を抱いて1月末、一覧にあった「長井町 ビニールハウス」に向かった。
市中心部から車で15分ほど。それらしきビニールハウスを見つけ、「こんにちは」と言って入り口をのぞくと、中の男性と目が合った。笑顔で手招きされた。
ビニールハウスの持ち主、保靖夫(ぼうやすお)さん(69)。ここには10~70代の4世帯11人が自主避難している。みんな「元々よく知っているご近所さん」だという。
斜め前は指定避難所だけど…
そばに並んだ段ボールベッド…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル